大岩毘沙門天(最勝寺)

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概要・歴史・観光・見所
大岩毘沙門天(最勝寺)概要: 大岩山多聞院最勝寺は栃木県足利市大岩町に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。最勝寺の創建は奈良時代の天平17年(745)、名僧として知られた行基菩薩の霊夢に毘沙門天の化身が立ち、東国に霊地があるので祀って欲しいとの御告げがありました。行基は早速、東国に巡錫すると大岩山から紫雲が棚引いているのを見つけ霊地と悟り聖徳太子が製作した3体の毘沙門天像の内の1体(純金製、像高1寸8分:4.5cm)を祀りました。

その話しを聞いた聖武天皇は大岩山多聞院最勝寺との寺号を授けた伝えられています。残りの2体が祀られている鞍馬山(京都府京都市左京区)、信貴山(奈良県生駒郡平群町)と共に日本三毘沙門の1つとして寺運が隆盛し最盛期には本堂、経堂、釈迦堂、三重塔、山門、鐘楼、薬師堂、十二坊が建ち並び寺領は1500石に及びました。室町時代は足利泰氏、尊氏などの足利氏一族から帰依され隆盛しますが文和4年(1355)に落雷により多くの堂宇が焼失します。足利七福神(毘沙門天)。山号:大岩山。院号:多聞院。宗派:真言宗豊山派。本尊:毘沙門天。本坊本尊:不動明王。

現在の大岩毘沙門天本堂は江戸時代中期の宝暦12年(1762)に造営されたもので木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行3間、梁間4間、正面に唐破風の向拝が付き、外壁は真壁造板張り、建物全体が極彩色で彩られ、唐破風懸魚には鳳凰、向拝には龍や象、獅子など精巧な彫刻、内部には毘沙門天及び両脇待像(吉祥天・善膩師童子)が安置、年中行事である「あくたい祭り」や「滝流しの式」などが執り行われます。最勝寺山門は江戸時代中期の元禄6年(1693)に改築されたもので入母屋、桟瓦葺き、桁行き3間、梁間2間、三間一戸、八脚単層門、木部朱塗り、両脇には運慶の作と伝わる金剛力士像(阿形像・吽形像)が安置され、「大岩山」の山号額が掲げられています。岩毘沙門天本堂と山門は江戸時代中期に建てられた寺院建築の遺構として貴重な事から昭和59年(1984)に足利市指定文化財に指定されています。

毘沙門天像は鎌倉時代に彫刻されたもので、木造、寄木造、玉眼、像高180.0cm、吉祥天像は鎌倉時代に制作されたもので、木造、寄木造、像高95.0cm、善膩師童子像は鎌倉時代に制作されたもので、木造、寄木造、像高93.0cm、大型で意匠的、保存状態が良く貴重な事から昭和42年(1967)に栃木県指定文化財に指定されています。

最勝寺の文化財
・ 木造毘沙門天像及び両脇侍像(吉祥天・善膩師童子)-鎌倉-県指定文化財
・ 大岩山石造層塔-建長8年(1256),高さ120p-栃木県指定重要文化財
・ 木造金剛力士立像(1対)-阿形・吽形、像高340p-足利市指定有形文化財
・ 大岩毘沙門天石段−宝永元年(1704)、40段−足利市指定有形文化財
・ 大岩毘沙門天本堂−宝暦12年(1762)−足利市指定有形文化財
・ 大岩毘沙門天山門−元禄6年(1693)−足利市指定有形文化財
・ 絵馬及び奉納額−江戸時代−足利市指定民俗文化財
・ 最勝寺暖地性植物自生地−足利市指定天然記念物
・ 毘沙門天のスギ-推定樹齢600年,樹高29m,幹周7m-足利市指定天然記念物

八脚門を簡単に説明した動画

【 参考:サイト 】
公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-環境庁・栃木県
・ 現地案内板-財団法人足利市民文化財団・足利市教育委員会
・ 現地案内板-足利市教育委員会

大岩毘沙門天:写真

参道石段中腹にある最勝寺山門
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最勝寺山門に安置されている木造金剛力士立像(阿形像) 最勝寺山門に安置されている木造金剛力士立像(吽形像) 最勝寺参道の歴史ある苔生した石段 最勝寺本坊に向かう参道から見た境内
最勝寺本堂側面 最勝寺本堂向拝に施された鳳凰、龍、象、獅子の彫刻 最勝寺境内に設けられた鐘楼と梵鐘 最勝寺境内に建立されている石造層塔


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