鑁阿寺(足利氏館)

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概要・歴史・観光・見所
鑁阿寺(足利氏館)概要: 金剛山仁王院法華坊鑁阿寺は栃木県足利市家富町に境内を構えている真言宗大日派の寺院です。鑁阿寺の創建は源義康(足利家の祖)が屋敷内(足利氏館:敷地面積は約4万u、敷地形状は略正方形で周囲は水堀と土塁が囲い鎌倉時代の武士頭領級の居館跡とされます。)に持仏である大日如来像を祀る為、堀内御堂を建立したのが始まりとされます。鎌倉時代初期の建久7年(1196)、足利義兼の正室である北条時子が死去すると剃髪し法名として「鑁阿」に改称、理真を招き堀内御堂を寺院として整備し鑁阿寺と寺号を改めてます。文暦元年(1234)三代目義氏が堂塔伽藍を建立や境内の整備を行い代々の足利氏の氏寺とし、鑁阿寺を管理する為に堀の外側に塔中十二坊(筆頭は千手院)を創建させています。現在残されている鐘楼はその当時のもので国重要文化財に指定されています。

室町時代に入ると足利将軍家や足利公方から庇護した事で寺運が隆盛し支院は12頭を数え、南北朝時代の終わりごろには、鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の別当になり、応永14年(1407)には3代鎌倉公方足利満兼により経堂(国指定重要文化財)が再建されています。応永14年(1407)には関東管領足利満兼が一切経堂を再建、現在でもその姿を留めており室町時代初期の御堂建築の遺構として貴重な事から栃木県指定文化財に指定されています。足利氏の衰退と共に衰退し豊臣秀吉の兵火により堂宇の一部を焼失しましたが天正19年(1591)徳川家康が寺領60石を寄進し鑁阿寺を再興します。江戸時代に入ると徳川将軍家が源氏の同族である新田氏の一族、世良田氏の後裔を自称した為、世良田氏の祖となった世良田頼氏の正室が足利義氏の娘である関係から同族の菩提寺として鑁阿寺を帰依し寺領60石が安堵されました。

特に5代将軍徳川綱吉の生母である桂昌院(異父弟にあたる本庄宗資が足利藩を立藩したのにも関係があるのかも知れません)が鑁阿寺多宝塔(栃木県指定文化財)を再建(相輪の宝珠に寛永6年:1629年の銘がある事から再建ではなく改修したとも)し足利家と徳川家の大位牌が安置されています。又、11代将軍徳川家斉は鑁阿寺境内に御霊屋(栃木県指定文化財)を再建し本殿には足利十五代将軍像を安置し、本堂の裏手には源義国と足利義康の墓が建立されています。

鑁阿寺は大きな火災など少なかった為、本堂や鐘楼、経堂、多宝塔、楼門、太鼓橋、御霊屋、西門、東門、北門、宝庫(大黒堂)など古建築が残り、寺宝なども多数所持しています。又、境内は鎌倉時代に築かれた足利氏の居館跡で水掘や土塁など良好に保存されていることから大正11年(1922)に「足利氏宅跡」として国指定史跡に指定され、平成18年(2006)に日本名城100選に選定されています。下野三十三観音霊場第28番札所。関東八十八箇所第16番(御詠歌:だいにちの みひかりうけて さくはなも ほとけのかごに あらざるはなし)。足利坂東三十三観音霊場:第33番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・御詠歌:幾年の 深き願いも 今日はてて 心も軽く けかる古里)。足利七福神:大黒天。山号:金剛山。院号:仁王院。坊号:法華坊。宗派:真言宗大日派(本山)。本尊:大日如来。

【 鑁阿寺菩提者:足利家 】-足利家は源義家の4男とされる義国の次男源義康が領地である下野国足利荘の地名に因み足利氏を称したのが始まりとされます。跡を継いだ義兼は早い段階から源頼朝に従い、元暦元年(1184)の木曽義高追討や治承4年(1180)から元暦2年(1185)の平家討伐(治承・寿永の乱)、文治5年(1189)の奥州合戦などに従軍し大功を挙げ鎌倉幕府の御家人の中でも源氏一門として御門葉と呼ばれ足利家発展の基礎を築きました。

鑁阿寺の文化財(建物のみ)
・ 鑁阿寺本堂-正安元年,禅宗様,入母屋,本瓦葺-国宝
・ 鐘楼-天福2年,入母屋,本瓦葺,袴腰付-国指定重要文化財
・ 一切経堂-応永14年,一重もこし付,八角輪蔵-国指定重要文化財
・ 多宝塔-元禄5年,桂昌院が寄進,日本最大級-栃木県指定重要文化財
・ 楼門-天正18年,三間一戸,八脚門楼門-栃木県指定重要文化財
・ 太鼓橋−安政年間,屋根付き橋−栃木県指定重要文化財
・ 御霊屋-江戸時代,11代将軍徳川家斉が寄進-栃木県指定重要文化財
・ 西門-永享4年,一間一戸,切妻,桟瓦葺,四脚門-栃木県指定重要文化財
・ 東門-永享4年,一間一戸,切妻,桟瓦葺,四脚門-栃木県重要文化財
・ 北門-弘化2年,一間一戸,切妻,桟瓦葺,薬医門-足利市指定有形文化財
・ 宝庫(大黒堂)-宝暦2年,校倉風,寄棟,本瓦葺-足利市指定有形文化財
・ 観音壇厨子-江戸中期,一間社,入母屋,極彩色-足利市指定有形文化財
・ 蛭子堂-江戸中期,北条時子を祀,切妻,妻入,桟瓦葺-足利市指定文化財
・ 御水屋−明治22年−足利市指定有形文化財

薬医門を簡単に説明した動画

【 参考:サイト 】
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(金剛山鑁阿寺伽藍図)
・ 現地案内板(経堂・楼門及び反橋・大銀杏・西門・梵鐘など)-金剛山鑁阿寺
【 付近地図 】
栃木県足利市家富町

鑁阿寺:写真

鑁阿寺参道石畳みから見た本堂と石燈篭

鑁阿寺:境内案内

太鼓橋
鑁阿寺境内正面に設けられた太鼓橋
太鼓橋
山門
鑁阿寺の正門に当たる山門(楼門)
山門
本堂
鑁阿寺の信仰の中心施設である本堂(国宝)
本堂
多宝堂
鑁阿寺に帰依した桂昌院が寄進した多宝堂
多宝堂
経堂
鑁阿寺が所有する経典が収蔵されている経堂
経堂
不動堂
鑁阿寺の境内に設けられた不動堂
不動堂
御霊屋
鑁阿寺と関係が深い足利大権現が祭られている御霊屋
御霊屋
大酉堂
鑁阿寺と関係が深い足利尊氏の御霊屋だった大酉堂
大酉堂
大黒堂
鑁阿寺と関係が深い足利家伝来の大黒天を祭っている大黒堂
大黒堂
蛭子堂
鑁阿寺と関係が深い足利義兼の正妻北条時子を祭っている蛭子堂
蛭子堂
鐘楼
鑁阿寺境内に設けられている鐘楼
鐘楼
東門
鑁阿寺境内入口の一つである東門
東門
北門
鑁阿寺境内入口の一つである北門
北門
西門
鑁阿寺境内入口の一つである西門
西門
 
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