村檜神社(岩舟町)概要: 村檜神社は栃木県栃木市岩舟町小野寺に鎮座している神社です。村檜神社の創建は大化2年(646)に熊野大神と日吉大社(滋賀県大津市坂本)の分霊(大山咋命)を勧請したのが始まりと伝えられています。その後、大同2年(807・光孝天皇の御代:884〜887年とも)に八幡神社の分霊である誉田別命を勧請合祀して何時しか主祭神として祀られるようになりました。延喜5年(927)に作成された延喜式神名帳に記載された式内社で、古くから佐野庄小野寺十郷(小野寺・上岡・下岡・三谷・新里・吉江・下津原・駒場・鷲巣・畳岡)の総鎮守、下野国三ノ宮として信仰されました(式内社村檜神社は鹿沼市村井町に鎮座している胸形神社も論社とされます)。
天慶2年(939)には藤原秀郷の居城である唐沢山城から北東にあたる為、鬼門鎮護の崇敬社となり平将門の乱の際、戦勝祈願し社領70貫文と弓を寄進しています。その後も歴代領主に崇敬され、天文2年(1533)には佐野城主佐野豊綱が左甚五郎を招いて社殿を再建しています(本殿左方の柱に施されている瓜の彫刻は左甚五郎が手掛けたものと伝えられています)。江戸時代に入ると村檜神社は例幣使街道の宿場町である栃木宿の商人達から篤く帰依され社運も隆盛しました。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て郷社に列しています。
現在の村檜神社本殿は天文2年(1533)に再建されたもので三間社春日造(正面入母屋、背面切妻、妻入)、桧皮葺、室町時代後期に建てられた数少ない神社本殿建築の遺構として大変貴重な存在で明治41年(1908)に国重要文化財に指定されています。神社山門(神門)は割拝殿形式、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行7間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、中央部に参道の石段が配されています。中門は切妻、銅板葺、一間一戸。又、村檜神社境内一帯は古くから神域として守られてきた為、樹齢千年以上の木々も多く昭和47年(1972)に岩舟町指定天然記念物に指定されています。主祭神は誉田別命、配神は熊野大神・大山咋命。
|