宮原八幡宮(那須烏山市)概要: 宮原八幡宮は栃木県那須烏山市宮原に鎮座している神社です。宮原八幡宮の創建は延暦14年(795)坂上田村麿呂が東夷東征の折、築紫山山頂(標高:198m)に宇佐八幡宮(大分県宇佐市)の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。応永25年(1418)、那須資重によって築紫山に烏山城が築かれると城の鎮守社として歴代城主に崇敬されるようになり、明応2年(1493)に那須資実が烏山城の修築、拡張を行った際、境内と重なる為、現在地(旧琵琶の原)に遷座しました。
永禄3年(1560)に那須家7代修理大夫資胤が本殿を造営(内陣の板扉に資胤の銘)するなど歴代那須家から庇護されました。江戸時代に入ると歴代烏山藩主(成田家・松下家・堀家・板倉家・那須家・永井家・稲垣家・大久保家)の崇敬社として藩から庇護され社殿の改修や社領の寄進などが行われています。明治に入ると烏山の総鎮守として信仰を集め郷社に列しています。
現在の宮原八幡宮本殿は室町時代に建立されたと推定される古建築物で、三間社流造、銅板葺き、正面3間向拝付、外壁は朱色に着色され内部には宮殿が安置されています。宮原八幡宮本殿は室町時代の神社本殿建築として貴重な事から平成3年(1991)に栃木県指定有形文化財に指定されています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行4間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り。
例祭で奉納される宮原八幡宮観世流太々神楽は明治17年(1884)に当時の宮司斉藤松寿氏が、伊勢神宮(三重県伊勢市)の神職として学んだ神楽を宮原在住の斉藤主膳に伝授したもので、当初は38場所ありましたが現在はその内の8場所(惣礼舞、住吉舞、翁舞、稲田姫舞、八岐大蛇舞、素盞鳴舞、天寿舞、岩戸舞)が演じられています。祭神は誉田別命(応神天皇:八幡神)。
宮原八幡宮の文化財
・ 宮原八幡宮本殿−室町−三間社流造、銅板葺−栃木県指定文化財
・ 絵馬(相撲・馬百態・七福神)−那須烏山市指定民俗文化財
・ 宮原八幡宮観世流太々神楽−那須烏山市指定無形民俗文化財
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(略記)-宮原八幡宮
・ 現地案内板-栃木県教育委員会・烏山市教育委員会
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