宇都宮市: 羽黒山神社

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概要・歴史・観光・見所
羽黒山神社(宇都宮市)概要: 羽黒山神社は栃木県宇都宮市今里町に鎮座している神社です。羽黒山神社の創建は康平年間(1058〜1065年)に宇都宮城築城に際し、藤原宗円(宇都宮宗円、北関東の名門宇都宮の祖)が出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山:山形県鶴岡市)から倉稲魂命(羽黒神:宇迦之御魂神)を勧請したのが始まりとされます。鎮座している羽黒山(標高458.2m)は約7500万年前の火山活動や海底火山、氷河期を経て形成された山で当初は地名から河内山と呼ばれてきましたが、羽黒神を勧請した事で何時しか羽黒山と呼ばれるようになりました。近郷18郷の総鎮守として広く信仰され歴代宇都宮城の城主である宇都宮氏の庇護もあり社運も隆盛しましたが慶長2年(1597)に当時の城主宇都宮国綱が改易となり羽黒山神社も衰微します。

江戸時代初期の慶安年間(1648〜1652年)、宇都宮藩主奥平忠昌が改めて出羽三山の羽黒山から分霊を勧請して再興、社殿の修復や境内の整備、参道の改修などが行われています(現在参道沿いにある夫婦杉はその当時に植樹されたものと伝えられています)。古くから神仏混合し、江戸時代までは羽黒山大権現と称し修験僧の修行場となっていましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令と修験道廃止令などで仏式が排され羽黒山神社に改称しています。

現在の羽黒山神社本殿は文政元年(1818)に火災で焼失後の文政13年(1830)に棟梁は高根沢出身の山本飛騨(彫刻は鹿沼出身の神山政五郎)の手で建てられたもので一間社流造、こけら葺、向拝木鼻や欄間、蝦虹梁、柱、壁面、隔て板などに精緻な彫刻が施されて、特に基壇部分には力持ち(力士像)が彫りこまれています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、桁行3間、梁間2間、正面1間軒唐破風向拝付、外壁は真壁造り板張り。

羽黒山神社の境内には江戸時代中期の元禄14年(1702)に建立された鐘楼堂(切妻、石瓦葺、4本柱外壁は吹き放し、梵鐘は文政元年:1818年の宇都宮出身の鋳物師、戸室将監が鋳造し再替しています。)や石仏が安置されるなど神仏混合時代の信仰の様子が残っています。例祭(毎年11月23・24日)である梵天祭りは江戸時代中期から始められたもので近隣の集落から梵天の房が付けられた長い竹竿を奉納しています。祭神:宇迦之御魂命(稲倉魂命)、菊理媛命。

羽黒山神社の文化財
・ 羽黒山神社本殿-文政13年(1830)-一間社流造,こけら葺-宇都宮市指定文化財
・ 羽黒山神社鐘楼堂-元禄14年(1702)-切妻,瓦葺,4本柱-宇都宮市指定文化財
・ 夫婦杉-推定樹齢450年,樹高30m,幹周4.5m-宇都宮市指定天然記念物

【 参考:サイト 】
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(沿革)-羽黒山神社
・ 現地案内板(本殿・梵鐘・夫婦杉)-宇都宮市教育委員会・羽黒山神社

羽黒山神社:写真

羽黒山神社境内正面に設けられた朱色の大鳥居
[ 付近地図: 栃木県宇都宮市 ]・[ 宇都宮市:歴史・観光・見所 ]
羽黒山神社参道石段と大木の並木 羽黒山神社石段沿いに生える夫婦杉(とちぎ名木百選) 羽黒山神社垣間見える拝殿と手水舎 羽黒山神社社殿(拝殿・本殿)全景左斜め前方
羽黒山神社本殿覆い屋と社叢 羽黒山神社本殿を支えている力士像の彫刻 羽黒山神社奉納された数多くの梵天 羽黒山神社鐘楼は石瓦葺きの珍しい屋根


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