佐野厄除け大師(惣宗寺)概要: 春日岡山惣宗寺は栃木県佐野市金井上町に境内を構えている天台宗の寺院です。の創建は天慶7年(944)平将門の乱を平定した藤原秀郷(田原藤太 俵藤太)が開基となり宥尊上人を招いて開山したのが始まりと伝えられています。平安時代末期の保元・平治の乱の兵火により多くの堂宇が焼失し一時衰退しましたが永仁年間(1293〜1299年)に俊海(藤原氏一族、比叡山の僧)が再興、伏見天皇の勅願所に定められると、転法輪院の号を賜りました。
その後は領主である佐野氏(藤原秀郷の子孫とされる一族)の庇護もあり寺運が隆盛します。佐野氏の居城唐沢山城は江戸城(東京都千代田区)を俯瞰出来る事などから慶長7年(1602)幕府から廃城を命じられ佐野信吉は惣宗寺のあった春日岡に改めて佐野城を築城する事になり現在地に境内が移されます。
佐野信吉は慶長19年(1614)に突然改易となり松本藩(長野県松本市)へ配流され庇護者を失いますが元和2年(1616)に徳川家康が駿府城(静岡県静岡市)で死去すると遺言により遺骸は一旦居城である久能山(静岡県静岡市)に葬られ翌年元和3年(1617)に久能山から日光(日光東照宮)に改葬、その際、惣宗寺の境内が遺骸の宿所となった事で幕府から庇護されるようになります。
江戸時代を通して御朱印50石を拝領し、三代将軍徳川家光が参拝、文政11年(1828)には幕府が東照宮を境内に造営しています。惣宗寺は比叡山延暦寺(滋賀県大津市坂本)中興の祖とされる良源を祀る佐野厄除大師として、青柳大師(龍蔵寺・天台宗:群馬県前橋市)、川越大師(喜多院・天台宗:埼玉県川越市)と共に「関東の三大師」として多くの参拝者を訪れてます。境内には田中正造の分骨された墓があります(惣宗寺で本葬が行われ5箇所に分骨埋葬されました。)。宗派:天台宗。本尊:如意輪観音、元三大師。
佐野厄除け大師(惣宗寺)の文化財
・ 麻布著色楊柳観音図-江戸-麻布に描いた密画-栃木県指定文化財
・ 絹本著色慈慧大師像−南北朝時代−栃木県指定文化財
・ 絹本著色釈迦三尊像(3幅対)−栃木県指定文化財
・ 東照宮本殿(附:建築図棟札及保管箱)-文政11年-一間社入母屋-県指定
・ 東照宮拝殿-江戸時代-入母屋、銅瓦棒葺、3×2間-栃木県指定文化財
・ 東照宮透塀-江戸時代-銅瓦棒葺-栃木県指定文化財
・ 東照宮唐門-江戸時代-唐破風、銅瓦棒葺-栃木県指定文化財
・ 銅鐘-明暦4年-天明鋳工105人の合作-佐野市指定有形文化財
・ 惣宗寺田中正造墓所−佐野市指定史跡
・ 惣宗寺山門−佐野市指定文化財
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