籠岩地蔵(板室温泉)概要: 籠岩地蔵は籠岩神社の背後にある大きな岩に安置しています。大きな岩には浸食し無数の小穴が形成されていて、その穴の幾つかに女性の左胸を出した独特の地蔵が安置され神聖な雰囲気が感じられます。案内板によると「 篭岩は岩肌のくぼみが篭の目のように見えることからの呼び名です。湯の郷板室温泉の篭岩地蔵は霊岩霊石のくぼみに神が宿ると考えた素朴な先人が湯治に訪れ、病全快のお礼にいつからとなくお地蔵様を寄進したのが始まりです。地蔵は乳癌が治癒したこのへのお礼で左胸を、あらわにした山の神(一家の主婦)の石像と、伝えられています。「杖いらずの湯板室温泉」とともに無病息災、家内安全のお地蔵様として親しまれています。歩道を進みますと篭岩神社展望台が整備され、板室ダム関東平野が一望できます。」とあります。
この様な特異な自然景観は古くから自然崇拝の対象として信仰されていたと思われ、特に近くにに板室温泉があった事から湯治客には御利益と感じていたのかも知れません。又、同じ境内に鎮座する籠岩神社の祭神である「大山津見神」は山の神で男神であるにも関わらず、奉納される石像は「山の神」と称する女性を象っているのも不思議な感じがします。女性の石像というのも双体道祖神などでは見られるものの、私自身はあまり見た事が無く半身裸というのも初見でした(明治維新後に風俗的に良くないものは次々に破却されたので、もしかしたら江戸時代までは一般的だったのかも知れません。全国の温泉場に鎮座する温泉神社では子宝祈願として男性器や女性器を象った石物や木製品などを奉納する風習がありますが、籠岩地蔵も同じようなものかも知れません。幾ら板室温泉の効能が素晴らしくとも乳癌がこれ程多くの完治するとは・・・)。
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