籠岩神社(板室温泉)概要: 板室温泉の背後にある山の中腹に鎮座する神社で、周囲は大きく岩肌が露出し、特異な景観となっていた事から、古来からの自然崇拝的な信仰があったように思います。案内板によると「 篭岩神社は、山の霊岩霊石に神霊が宿ると考えた先人たちの建立した、山の神霊の石祠です。篭岩とは、岩肌のくぼみがあたかも篭の目のごとく思えることから付けられた呼び名で、この霊石に神が宿っていると先人たちは考えたのです。篭岩神社に至る山道の右手には、岩穴に湯治客などが寄進した山の神の石像があります。」とあります。神社といっても大きな社殿があるわけではなく篭岩自体が神格化されていたと思われます。
籠岩神社の祭神は大山津見神。大山津見神は伊弉諾尊と伊弉冉尊の御子神で大山積神、大山津見神、大山祇神などとも呼ばれています。「オオヤマツミ」は偉大な山神とも意味する事から一般的には山の神とされますが、海と関係が深い三島大社(静岡県三島市)の祭神や酒神、武神としても信仰されています。又、大山津見神は男神とされていますが、籠岩神社の参道に奉納されている「山の神」と呼ばれている石仏は多くが女性を象っており半身裸体という全国的に見ても特異な形状をしていて民俗的にも興味深いところです。
|