嶽山箒根神社(那須塩原市)概要: 嶽山箒根神社は栃木県那須塩原市金沢に鎮座している神社です。嶽山箒根神社の創建の詳細は不詳ですが白鳳8年(679)に役小角(修験道の開祖)と山本良章が木像を祀ったと言われています。現在、奥之院境内には山本良章が境内の四方を守護する為に手植えしたと伝わる大杉(推定樹齢1千年、樹高20m、幹周8.7m)があり那須塩原市指定天然記念物に指定されています。その後、嶽山箒根神社は延暦年間(782〜805年)に神位従五位を授けられ、寛治5年(1091)には後三年合戦に勝利した源義家が社領の寄進と宝物を奉納しています。
以来、歴代領主に崇敬され長承年間(1132〜1134年)には宇津野鳩ケ森城主尾張守資家は、社領の寄進と社殿の造営を行い、大田原領に属した後も山城守丹治綱清が社領70石を寄進、嘉永3年(1850)に飛弾守富清が社領35石を寄進、文久2年(1862)に社殿(現在の奥の院本殿)を造営を行うなど庇護されました。古くから嶽山箒根神社は高原山を御神体とする山岳信仰の修験場として神仏習合し明治時代初頭に発令により仏式が排されましたが、現在でも旧参道には様々な石仏や石碑などが残され往時の信仰の深さが感じられます。
現在の嶽山箒根神社社殿は江戸時代中期の元文5年(1740)に建てられたもので一間社、流れ造り、木羽葺きで、小規模ながら多くの繊細な彫刻が施され見所の多い建物で平成5年(1993)に那須塩原市指定文化財に指定されています。この社殿は元々は高清水神社として建てられたものですが大正5年(1916)に箒根神社と合祀して現在は嶽山箒根神社の遥拝殿となっています(本殿は奥の院として嶽山山頂付近に鎮座しています。本殿は一間社流造、木羽板葺、正面向拝付、祭神は豊城入彦命、大己貴命、事代主命、伊弉冊命。
本殿に隣接する熊野神社は天明4年:1784年に大田原藩9代藩主大田原庸清が寄進したもので一間社権現造、木羽板葺、祭神は伊邪那岐命、速玉男命、事解男命。同じく隣接する日光山神社は宝暦4年(1753)、大田原藩(藩庁:大田原城)8代藩主大田原友清が寄進したもので一間社流造、祭神は木羽板葺、大己貴命、事代主命、少彦名命。3社共に那須塩原市指定文化財に指定されています)。例祭の「梵天上げの行事」は毎年11月23日に行われ、近隣から数多くの梵天が奉納される行事で古式を伝える貴重なものとして昭和52年(1977)に那須塩原市指定無形民俗文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-那須塩原市教育委員会
・ 現地案内板-塩原町
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