高房神社上社(湯西川温泉)概要: 高房神社上社の創建は永正元年(1504)に高房大明神の分霊を勧請したのが始まりとされます(後に諏訪神社の分霊を勧請合祀)。現在の社殿は江戸時代後期に再建されたもので一間社、流造、銅板葺、桁行1.74m、梁間1.43m、向拝付、向拝の蟇股には龍、木鼻には獅子、像、外壁などにも精緻な彫刻が施されています。湯西川上集落の鎮守として古くから信仰されている貴重なものとして平成5年(1993)に日光市指定有形民俗文化財(信仰)に指定されています。祭神である藤原高房(高房大明神)は藤原鎌足の後裔にあたり、自らも各国の鎮守府将軍を歴任した人物で、人柄的にも信頼され良政を敷いていた事から死後が信仰の対象になりました。高房を号する神社は茨城県南部と千葉県北部に点在し、伝承によると高房は常陸国伊佐荘(現在の茨城県筑西市)に流され死去したとされ、等覚院供養塔は高房を葬ったものとも云われています(現実的には否定されています)。その後、北関東で藤原家を祖と語る国人領主が崇敬した事で各地に高房神社が建立され、栗山郷でもそれらの分霊が勧請されたと思われます。栗山郷は元々藤原秀郷の支配領域に含まれ、その後支配した宇都宮氏や結城氏、壬生氏といった領主も藤原家を祖としていました。
|