那須町伊王野: 専称寺

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概要・歴史・観光・見所
専称寺(那須町伊王野)概要: 専称寺は栃木県那須郡那須町伊王野に境内を構えている時宗の寺院です。専称寺は鎌倉時代の延応元年(1239)に那須次郎資長(那須氏4代当主那須頼資の2男)が伊王野の地に配された際に創建された伊王野氏歴代の菩提寺です。当初は資長の持仏を祭った御堂が前身で永仁5年(1297)には資長が願主となり本尊である阿弥陀如来を制作させ往生院と呼ばれたようです。弘安3年(1280)に当地を巡錫で訪れた一遍上人に感化され、永仁5年(1297)に一遍上人の跡を継いだ他阿真教上人により時宗の寺院として開山、その後は境内が順次整備され当地方の時宗念仏道場としても知られるようになりました。

伊王野氏は那須地方の領主である那須家の有力一族であった事から専称寺も大きな庇護を受けたと思われますが、弘治元年(1555)に伊王野資直が長源寺を中興開基して以降は、長源寺が伊王野氏の菩提寺として機能したようです。寛永10年(1633)、大旦那だった伊王野氏は跡継ぎが居なかった事から断絶となり庇護者を失い、さらに、火災で堂宇が焼失するなどの不幸が続き衰微しました。その後は広く民衆にも信仰を広げ再興を図り現在に至っています。

専称寺本尊の金銅阿弥陀如来立像は文永4年(1267)に那須次郎資長が願主となり佛師藤原光高が制作したもので、一光三尊形式、金銅仏、像高48cm、金箔仕上げ、願主、制作年、製作者が明確で意匠、保存状態が良く、大変貴重な事から昭和25年(1950)に国指定重要文化財に指定されています。脇侍の金銅勢至菩薩立像は本尊と同じ経緯を持ち、金銅仏、像高33.7cm、金箔仕上げ、昭和32年(1957)に栃木県指定文化財に指定されています(もう1躯の脇侍である観音菩薩像は江戸時代に盗難された)。本堂は木造平屋建て、入母屋、銅瓦棒葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、天井絵は伊王野下町錦屋出身の渋井鉄華。境内には伊王野氏の旧墳墓があります。宗派:時宗。本尊:阿弥陀如来。

専称寺:写真

専称寺
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