益子町: 地蔵院

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概要・歴史・観光・見所
地蔵院(益子町)概要: 地蔵院は3代宇都宮家当主である宇都宮朝綱が長男宇都宮業綱の菩提を弔う為に建久3年(1192)に創建した一村山尾羽寺を前身としています。建久7年(1196)、朝綱が配流先の土佐から罪が許されるとに当地(栃木県芳賀郡益子町上大羽)に隠遁し、自ら「尾羽入道寂心」と名乗るなど尾羽寺を宇都宮家の菩提寺として整備し、境内には源頼朝が寄進したとされる多宝塔や、浄土庭園、初代宗円、2代宗綱の墓域などが設けられました。その後も、宇都宮家は勢力を維持し戦国大名にまで発展、当寺も菩提寺として篤い庇護が加えられ寺運も隆盛し、尾羽寺を中心に周辺には南竜坊や海音坊、西念坊、周隣坊、定光寺、綱神社など数多くの坊社が軒を連ねました。又、天正12年(1584)には当時の当主である宇都宮国綱に背いた七井城の城主益子勝忠が尾羽寺で毒殺される歴史の舞台にもなっています。慶長2年(1597)に国綱と豊臣家の間に何らかな齟齬があり突如改易となり、庇護者を失いますが、跡を継いだ宇都宮義綱が水戸藩に召し抱えられ、その後も当主の墓碑が土地に建立され続けた為、その後も何らかな庇護があったと思われます。

寺号が何時頃「地蔵院」となったのかは判りませんが、寺宝である「宋版大般若経(益子町指定文化財)」は享保21年(1736)と記された大箱の中に納められ、巻末には「下野國尾羽寺」の押印がある事から江戸時代中期は尾羽寺だったことが推察されます。一方、文化年間(1804〜1818年)に火災で地蔵院が火災で焼失とある為、江戸時代後期には真言宗の地蔵院が成立していた事が窺えます。案内板には朝綱が尾羽山地蔵院を創建し、以後、宇都宮家の菩提寺になったとされますが、尾羽寺の旧境内と、宇都宮家累代の墓、浄土庭園の跡とされる鶴亀の池、鎮守社と思われる綱神社との位置関係から尾羽寺が当初の菩提寺で、山号の尾羽山は尾羽寺の後継寺院を現わしたもの推察されます。山号:大羽山。宗派:真言宗智山派。本尊:延命地蔵菩薩。

現在の地蔵院本堂は室町時代中期に尾羽寺の阿弥陀堂として造営されたもので、天文11年(1542)に現在地に移築され、文化7年(1810)頃に地蔵院が焼失した事を受けて地蔵院の本堂となりました。形式は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行5間(12.18m)、梁間5間(9.74m)、内陣の天井は格天井、須弥壇には厨子(春日造・制作年:鎌倉時代)が設けられ内部には本尊である延命地蔵菩薩像が安置、室町時代の大型寺院阿弥陀堂建築の遺構として大変貴重な事から大正5年(1916)に旧国宝に指定され法改正に伴い昭和25年(1950)に国指定重要文化財に指定されています。

地蔵院の寺宝である絹本著色両界曼荼羅図(2幅)は室町時代後期の永禄11年(1568)に宇都宮出身の絵師である螺来雅楽尉によって描かれたもので胎退蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の2幅が平成14年(2002)に栃木県指定文化財に指定されています。木造阿弥陀三尊像の中尊である阿弥陀如来立像は室町時代に制作されたもので、桧材、寄木造、玉眼、脇侍である観音菩薩坐像、勢至菩薩立像は鎌倉時代に快慶によって制作されたと推定、桧材、一木割矧ぎ造り、玉眼、平成2年(1990)に栃木県指定文化財に指定されています。木造阿弥陀三尊像は平安時代に制作された阿弥陀如来坐像(尾羽寺の旧本尊)、両脇侍の観音菩薩立像、勢至菩薩立像の3躯によって構成されているもので、桧材、彫眼、本尊は寄木造り、両脇侍は一木割矧ぎ造り、平成2年(1990)に栃木県指定文化財に指定されています。

現在の地蔵院観音堂は室町時代後期の永正年間(1504〜1521年)頃に造営されたもので、木造平屋建て、寄棟、茅葺、平入、桁行3間(4.2m)、梁間3間(4.01m)、高さ5.75m、内部には本尊となる十一面観世音菩薩像が安置、昭和48年(1973)に益子町指定文化財に指定されています。境内にある糸桧葉(ひのき科ヒノキ属)は推定樹齢600年、樹高5〜6m、昭和60年(1985)に益子町指定天然記念物に指定されています。菩提樹(しなのき科シカキ属)は推定樹齢500年、昭和52年(1977)に益子町指定天然記念物に指定されています。

地蔵院:写真

地蔵院
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