長沼八幡宮(旧二宮町・真岡市)概要: 長沼八幡宮は栃木県真岡市長沼に鎮座している神社です。長沼八幡宮の創建は平安時代初期の延暦14年(795)坂上田村麻呂が東夷東征の帰途、社殿を建立し誉田別尊を勧請したのが始まりと伝えられています。又一説には康平6年(1063)に源頼義、義家父子は前九年合戦、後三年合戦などの際戦勝祈願を行う為に石清水八幡宮(旧男山八幡宮:京都府八幡市)を勧請し社殿の造営したとも云われています。元暦年間(1184〜1185年)に小山宗政(小山政光2男)が当地に配されると地名に因み長沼氏を名乗り鎌倉の鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の分霊を勧請し氏神として再興、源頼朝も崇敬し建久4年(1193)に社領500石を寄進しています。
中世は長沼庄の領主である長沼氏の崇敬社となり庇護されますが、観応3年(1352)に宗家が現在の福島県南会津町に移り、さらに庶流が文明3年(1471)に堀越公方との戦いで敗れたこの地を追われた為、長沼八幡宮は庇護者を失い一時衰退します。江戸時代に入ると幕府から庇護され元和元年(1615)には徳川家康から社領10石を寄進しています。
現在の長沼八幡宮社殿(本殿・幣殿・拝殿)は元禄年間(1688〜1704年)に別当だった道樹坊真が再建したもので、拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、正面千鳥破風、平入、桁行6間、梁間2間、唐破風向拝付、向拝部の彫刻は龍、波、鳳凰、外壁は真壁造り板張り。本殿は三間社流造、銅瓦棒葺。幣殿は両下造、銅板葺き。江戸時代中期に建てられた神社社殿建築の遺構として貴重な事から真岡市(旧二宮町)指定有形文化財に指定されています。随身門は天明7年(1787)に建てられたもので入母屋、銅板葺、三間一戸、桁行3間、張間2間、八脚単層門、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、木部朱塗り、左右に随身像安置、江戸時代後期の神社山門建築の遺構として貴重な事から真岡市(旧二宮町)指定有形文化財に指定されています。祭神:誉田別命、天児屋根命、別雷命。
長沼八幡宮の文化財
・ 青銅造鳥居-元禄10年(1697),高さ4.9m,柱間3.88m-栃木県指定重要文化財
・ 長沼八幡宮随身門-天明7年(1787)-真岡市指定有形文化財
・ 長沼八幡宮本殿・幣殿・拝殿-元禄年間(1688〜1704)-真岡市有形文化財
・ 長沼八幡宮のケヤキ-推定樹齢300年,樹高30m,幹周6.2m-真岡市天然記念物
・ 長沼八幡宮永代太々神楽−真岡市指定無形民俗文化財
・ 境内社熊野神社-真岡市有形文化財
・ 境内社日光神社-真岡市有形文化財
八脚門を簡単に説明した動画
【 参考:サイト 】
・ 公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由緒)-長沼八幡宮
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