壬生寺概要: 紫雲山壬生寺は栃木県下都賀郡壬生町大師町に境内を構えている天台宗の寺院です。壬生寺は高僧として知られた平安時代の高僧で、天台宗第3代座主となった慈覚大師円仁の生誕地と伝わる古寺です。江戸時代以前は荒廃していましたが貞享3年(1686)、天真親王(日光山輪王寺の門跡)が当地を訪れた際、壬生藩(藩庁:壬生城)の藩主三浦直次に再興を命じて大師堂が造営され台林寺が別当を担いました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により台林寺から独立し、大正5年(1916)に彦坂大僧正(日光山輪王寺の門跡)を招き改めて壬生寺が開山しています。
壬生寺大師堂は貞享3年(1686)に輪王寺の願いにより壬生城主三浦壱岐守直次によって建立された建物で、入母屋、桟瓦葺き、桁行き3間、梁間2間、一間の向拝が付いています。外壁は朱色に塗られ、華美な彫刻は排除された簡素なもので内部の天井は格天井で菊花紋が描かれています。江戸時代中期に建てられた貴重な御堂建築として貴重な事から平成3年(1991)壬生町指定有形文化財に指定されています。「大師産湯の井戸」は大師が産湯に使った霊水とされ、古くから安産や乳が出るようになる、諸病平癒などに御利益があると言われています。「大イチョウ」は推定樹齢350年、樹高24.5m、目通周囲5.1m、枝張り東西22.9m、南北22.0m、栃木県内でも有数な巨木として昭和54年(1979)に栃木県指定天然記念物に指定されています。山号:紫雲山。宗派:天台宗。本尊:不動明王。
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