久保講堂(真岡市)概要: 久保講堂は栃木県真岡市荒町に建てられている近代建築です。久保講堂は昭和13年(1938)に久保六平が自らの80歳を記念して私財(4万8千円)を投じて真岡尋常高等小学校に寄贈した講堂です。当時の大学生の初任給が75円程度の中、市内では大規模収容が可能な施設が切望され、この寄贈により市民の念願が叶い「久保講堂」の名称や「久保賞」の設立などで感謝を表しました。
久保講堂の建物は木造2階建て、切妻、桟瓦葺き、桁行45.45m、梁間19.089m、延床面積715.74u(1階651.21u・2階52.88u・搭屋11.65u)、建築面積651u、左右の塔屋と前面のポーチ部分が陸屋根で大屋根とは異なる要素を取り入れる事で水平線と垂直線の特徴を生かし、華美な装飾が無くても印象深い構成になっています。設計は米国人建築家フランク・ロイド・ライトに師事した遠藤新。
久保講堂は昭和初期に建てられた近代建築の遺構で真岡市民にとっても歴史性や親しみある貴重なものとして昭和61年(1986)に現在地に移築保存され「造形の規範となっているもの」との理由から平成9年(1997)に国登録有形文化財に指定されています。現在も施設として現役で文化祭や芸術祭などのイベント会場や市民の文化活動の拠点や展示ギャラリーなどで利用されています。
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