法輪寺(大田原市)概要: 光九山法輪寺は栃木県大田原市佐良土に境内を構えている天台宗の寺院です。法輪寺の創建は貞観2年(860)、慈覚大師円仁が当地に巡錫の折り、霊夢で釈迦如来、大日如来像を会得し開山したのが始まりと伝えられています(久寿年間:1154〜1155年に福原城の鬼門鎮護の為、那須氏が開基となり文覚上人が開山したという説もあります。)。寛元3年(1245)に後嵯峨天皇の勅願所となり寺運が隆盛しましたが次第に衰退、寛永13年(1636)に弁海和尚が再興しました。
古来は西行法師も訪れたとも言われ境内には" 盛りには などか若葉は今とても 心ひかるる糸桜かな "と和歌を詠んだ西行桜(推定樹齢800年、樹高12m、大田原市指定天然記念物)があります。法輪寺山門は勅額門と呼ばれ逆門建造の茅葺屋根で立額は後嵯峨天皇の勅願所となった際、靈雲法親王の御染筆で書かれたもので大田原市指定有形文化財に指定されています。
又、法輪寺は現在でも神仏混合の形態を維持していて例祭には住職が白衣に着替え神輿を担ぎ左良土宿内を渡御するそうです。明治時時代に入ると周辺で不幸が続き、天狗の悪行を鎮める為に明治13年(1880)に大天狗面(木製、高さ2.14m、幅1.5m、鼻高1.3m、重量1トン、木製としては日本一)が奉納されました。法輪寺大日堂は木造平屋建て、宝形造、正面軒唐破風、銅板葺き、桁行5間、張間5間、外壁は真壁造白漆喰仕上、向拝には獅子の精緻な彫刻、中央には「光九山」の山号額が掲げられています。
釈迦堂(本堂)は木造平屋建て、入母屋、銅瓦棒葺き、平入、桁行8間、外壁は真壁造白漆喰仕上。那須三十三観音霊場第23番札所(札所本尊:玉持観音・御詠歌:五色の 光放ちて 四苦除く 尊き本願 玉と示さん)。関東九十一薬師霊場第62番札所(札所本尊:薬師如来)。東国花の寺百ヶ寺 栃木十番。八溝七福神めぐり:大黒天。山号:光九山。院号:実相院。寺号:法輪寺。宗派:天台宗。本尊:大日如来、釈迦如来。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-大田原市教育委員会
・ 現地案内板-大田原市
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