雲龍寺(鹿沼市)概要: 天動山往生院雲龍寺は栃木県鹿沼市寺町に境内を構えている浄土宗の寺院です。雲龍寺の創建は鎌倉時代、平家の落ち武者の後裔が法然上人(平安時代末期から鎌倉時代初期の高僧。浄土宗の開祖)の高弟を招いて開いたのが始まりと伝えられています。当初は押原郷にありましたが永正元(1504)に現在地にあった末寺草久庵の境内に移り旭蓮社義扇心公上人(清厳寺開山)を招き中興開山しています。
特に鎌倉時代前期の武士・御家人・歌人である宇都宮頼綱が本尊の阿弥陀如来を篤く帰依していたとされ、宇都宮家から庇護されていたと思われます。宇都宮頼綱は出家すると法然の弟子証空に師事し浄土宗に帰依した事から清厳寺(栃木県宇都宮市)の開基にもなっています。
又、雲龍寺は儒学者の鈴木石橋の菩提寺としても知られています。鈴木石橋は鹿沼宿の本陣を勤めた鈴木家の出で、天明の大飢饉では窮民の救済や、飢饉に備えて備蓄米を制度化、間引き(子供の人数調整)の撲滅、私塾麗沢之舎の建設するなど功績があり宇都宮藩(藩庁:宇都宮城)から抜擢され藩士の教育に従事しました。又、鹿沼の歴史書とも言える「押原推移録」をまとめた山口安良の墓もあります。山号:天動山。院号:往生院。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
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