鹿沼市: 今宮神社

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概要・歴史・観光・見所
今宮神社(鹿沼市)概要: 今宮神社は栃木県鹿沼市今宮町に鎮座している神社です。今宮神社の創建は延歴元年(782)に日光二荒山神社栃木県日光市)の分霊を御所森に勧請したのが始まりと伝えられています。鎌倉時代に入ると押原六十六郷の総鎮守として社運も隆盛し正応5年(1292)には鹿沼権三郎入道教阿(当時の日光総政所)と清原氏によって唐銅燈籠一基(お化け燈籠)を奉納しています。

戦国時代に入ると壬生氏が台頭し、宇都宮家が担っていた「日光御神領惣政所職」を剥奪、これにより日光山領の支配権を事実上掌握した事を受けて、天文3年(1535)に壬生綱房が鹿沼城を築城した際に現在地に遷座し、城の鎮守社として社領の安堵と社殿の造営を行い崇敬社としました。壬生氏は小田原の陣において北条側に組した為、天正18年(1590)に豊臣秀吉に行われた奥州仕置きによって所領を没収され、庇護者を失った事で今宮権現も衰退します。

今宮神社は江戸時代に入った慶長13年(1608)に幕府から社領50石を安堵、社殿も造営され、以後は歴代宇都宮藩主から崇敬庇護されます。その後、延宝9年(1681)に本殿(一間社流造・向拝付・銅板瓦捧葺・桁行1間:3.26m・梁間1間:2.67m・向拝や壁面に精緻な彫刻)が改築され嘉永2年(1846)には唐門(総檜造り・切妻・軒唐破風付き・銅瓦葺・一間一戸・四脚門)や拝殿(木造平屋建て・入母屋造・向拝付・銅板瓦捧葺・桁行3間:7.45m・梁間2間:4.75m)、幣殿(両下造、銅板瓦棒葺、桁行4間:8.13m、梁間1間:3.26m・宮殿:入母屋、木羽葺、桁行1間:1.42m、梁間1間:1.15m)が新築されました。

今宮神社の唐門、本殿、拝殿、弊殿(附宮殿)は現在でも当時の姿を良く留めており、貴重な事から栃木県指定有形文化財に指定されています。古くから神仏習合し「日光山鹿沼今宮権現」や「今宮権現」などと称していましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により今宮神社と改称し明治5年(1872)に郷社、昭和6年(1931)に県社に列しました。祭神は大己貴命、素盞鳴尊、田心姫命、味耜高彦根命。

今宮神社の例祭の始まりは江戸時代初期の慶長13年(1608)に日光例幣使街道が開削され宿場町として鹿沼宿を改めて町割りした際、当社を再興する機運が高まりました。同年、当地域で大干ばつとなりこれ以上続くと農作物の成長に深刻な影響を及ぼす事が危惧されると、多くの住民が当社の境内に集まり雨乞いの祈祷を行うと3日後に念願成就し大雨が降った事から住民達は今宮神社の神意に感謝し、雨が上がった6月19日を宵祭り、20日を例祭と定めたそうです。

今宮神社は、周辺34カ町の氏神でその内27カ町が屋台を所有し、麻苧町屋台、上材木町屋台、久保町屋台、戸張町屋台、天神町屋台、仲町屋台、銀座2丁目屋台、銀座1丁目屋台、下横町屋台、石橋町屋台、下材木町屋台、、中田町屋台、下田町屋台、上田町屋台の14台の屋台が貴重なものとして鹿沼市指定有形文化財(工芸品)に指定され、例祭本体は「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」として平成27年(2015)に国指定重要無形民俗文化財、平成29年(2017)に日本の「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されています。

今宮神社の文化財
・ 唐門(神門)−嘉永2年−総檜造り、銅瓦葺−栃木県指定重要文化財
・ 本殿−延宝9年-一間社流造,向拝付,銅板瓦捧葺-栃木県指定重要文化財
・ 拝殿−嘉永2年-入母屋造,向拝付,銅板瓦捧葺-栃木県指定重要文化財
・ 弊殿附宮殿−江戸時代−両下造、銅瓦棒葺−栃木県指定重要文化財
・ 太刀−建武3年−備州長船住利行、長さ79.4p−鹿沼市指定有形文化財
・ 今宮神社大太鼓−天正元年(1573)−鹿沼市指定有形文化財
・ 刀-文政11年-野州住荒川貞五郎雲龍子源直行-鹿沼市指定有形文化財
・ 餅板−大永7年−25p×25p、杉材−鹿沼市指定有形文化財
・ 懸仏,木製カワラケ及び木製厨子-天文8年(1539)-鹿沼市指定有形文化財
・ 鹿沼今宮付け祭り−国指定無形民俗文化財

唐門を簡単に説明した動画

【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-中央区コミュニティ推進協議会
・ 現地案内板-栃木県教育委員会・鹿沼市教育委員会
・ 石碑(鳥居)-今宮神社

今宮神社:写真

今宮神社境内正面に設けられた大鳥居と石造社号標
[ 付近地図: 栃木県鹿沼市 ]・[ 鹿沼市:歴史・観光・見所 ]
今宮神社境内から見上げた参道石段と唐門、石造狛犬 今宮神社唐門から見た境内 今宮神社拝殿正面と天水樽 今宮神社本殿と幣殿


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