宗泉寺(足利市)概要: 端藏山宗泉寺は栃木県足利市松田町に境内を構えている曹洞宗の寺院です。宗泉寺の創建は正和3年(1314)に松田彦五郎頼持が開基となり南叟周岳大和尚が開山したのが始まりと伝えられています。松田氏は清和源氏新田氏族で、額田氏綱、生田時綱と続き頼持の代で松田姓を名乗り、後裔の松田与一政重は延文4年(1359)に矢口渡で討死したとされます(延文3年:1358年に新田義興が矢口渡で謀殺されている事件の事かも?)。寺号は頼持の戒名「宗泉寺殿鉄心宗肝大居士」に起因するもので、松田家の菩提寺だったと思われます。
何度か火災にあいその度再建され、現在の本堂は明和6年(1768)の火災で堂宇が焼失後の文化7年(1810)に建立されたもので、木造平屋建て、桁行き10間、梁間8間、入母屋、銅板葺き、平入、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、花頭窓付、内部は典型的な禅宗本堂建築を踏襲したもので内陣を中心に大間、脇間などで構成され、組物や欄間の精巧な彫刻など見所も多い建物です。宗泉寺本堂は江戸時代後期に建てられた寺院本堂建築の遺構として貴重なことから平成15年(2003)に足利市指定有形文化財に指定されています。
又、宗泉寺が所有する半鐘は享保13年(1728)に佐野天明に制作されたもので総高54cm、口径30cm、龍頭高10cm、保存状態が良好で銘文がある事から資料的な価値も高く昭和57年(1982)に足利市指定有形文化財(考古資料)に指定されています。山門は切妻、桟瓦葺き、三間一戸、薬医門。鐘楼は入母屋、桟瓦葺き、外壁は柱のみの吹き放し。山号:端藏山。宗派:曹洞宗。本尊:延命地蔵菩薩。
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