古久磯提灯店(栃木市)概要: 案内板によると 「旧例幣使街道である栃木市大通り東側にある提灯店は、通りに面して斜めに位置する2階建桟瓦葺の見世蔵とその奥に続く木造2階建ての住居部分とからなる。見世蔵は、小屋梁(中引梁)の墨書によって「弘化2年(1845)」の上棟であることが知られているが、これは、建築年代の判明した蔵造りの店舗としてあ蔵の街の中でも最古のものであり、全国的にみても古い見世蔵に属する。また、現在では市内唯一の提灯店である。見世蔵は、切妻平入りで間口4間、奥行3間、前面に約5尺の下屋庇を設けている。店舗2階は2室の座敷が通りに面して並列し、南側の10畳に床の間が付く。2階軒先は出桁造り、窓は引戸(土戸)で黒漆喰の外壁は9寸あまりの厚みをもつものである。」とあります。
古久磯提灯店は土蔵2階建、切妻、桟瓦葺、平入、外壁は黒漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り、基礎は石造、栃木市にある明治時代後期に建てられた見世蔵と比べると棟瓦が低く軒蛇腹がないなど権威的な意匠が少なく初期の見世蔵の特徴が見られます(江戸時代の町屋建築には高さ制限があった)。古久磯提灯店見世蔵は江戸時代後期に建てられた数少ない町屋建築の遺構で年代も明確な事から平成6年(1994)に栃木県指定有形文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-栃木県教育委員会・栃木市教育委員会
|
|