竜江院(佐野市)概要: 竜江院の創建は明応3年(1494) 佐竹安義が父親である佐竹義定の菩提を弔う為、秀峰在岱和尚を招いて開山したのが始まり伝えられています。以来、佐竹氏縁の寺院として庇護され、戦国時代末期には佐竹氏の居城となった水戸城(茨城県水戸市)内に境内を移し寺運も隆盛します。慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いで佐竹氏は東西中立的な立場を取った為、慶長7年(1602)に久保田(秋田県秋田市)へ移封となりました。 当時の竜江院住職花翁玄芳は佐竹氏と共に秋田には随行せず水戸城内から離れると下野国を点々とし野州間々田村に至っては龍晶寺、野州免鳥村に至っては龍真寺と称しました。慶長18年(1613)に現在地に移り、以後は領主だった旗本牧野伊予守成里の帰依で歴代の香華院に定められ以後、牧野家から庇護されました。竜江院の寺宝である木造エラスムス像(貨狄尊者:総高121p、像高105p)は慶長5年(1600年)豊後に漂着したオランダ船リーフデ号の船尾に飾られたもので、当時乗船していたウイリアム・アダムスから砲術指南を受けていた牧野成里が譲り受け竜江院に寄進したとされています。木造エラスムス像(貨狄尊者)は昭和5年(1930)に国指定重要文化財(旧国宝)に指定されています。足利坂東三十三観音霊場:第17番札所(御詠歌:鳥ならば 飛び立つばかり 羽田村 仰ぐ大悲の 影ぞ嬉しき)。山号:貞正山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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